
今回は…
- 高い声の出し方を知りたい!
- 響きのある伸びやかな声を出したい!!
- もっと楽に歌いたい!!!
そんなことを検索していると「ミックスボイス(またはミドルボイス)」という単語に行き着いたことはないでしょうか?
今回はそのミックスボイスという声の原理についてお話していこうとおもいます。
ミックスボイスって?
裏声と地声をスムーズに行き来できる歌唱法(状態)。
地声を張り上げるよりもパワフルな声になる(声質・声量UP)
喉へのダメージが圧倒的に減る。(スタミナUP)
年々増加する「音域の広い曲」を歌っていく上では、たいへんメリットの多い発声です。
しかし、ミックスボイスをよく「魔法のような高い声の出し方」と勘違いする方が多いのですが、あくまでミックスボイスとは「歌唱状態」を指しています。
※これについては後半しっかり説明します!
出すための必要条件
音階ごとに2つの筋肉をバランスよく動かせるようになること。
「声の音色を調整する筋肉」
「裏声を鼻にかけて太くしたものがミックスボイスだ!!」
と定義する人もいますが、それだけを目指しても「出来の悪いキンキンした音色の裏声 or 自由度のないヘッドボイス」になってしまう場合がほとんどで、太く強いミックスボイスからはどんどん遠ざかってしまいます…。
ミックスが不完全な人の声には「声を高くしていく途中で、突然声質がおおきく変わってしまう(ひっくり返る・スカスカした息漏れ声になる)」という大きな特徴があるので、自分の声を録音したりしてよーく聴き比べてみましょう。
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裏声・地声・ミックス時の声帯の動き
声の音色(裏声・地声)は
声帯の「閉じている時間」
によって決定します。(※1
そこで、裏声・地声の声帯の動きを見比べる動画を用意しました。
- 一秒間に440回閉じる声帯の動きをスロー再生したもの。
- 上は「裏声」、下は「地声」の動きを表している。
- どちらも同じラの高さの声(HiA)を出している声帯の動きである。
2つの声帯の動きを見てみると、
裏声時のくっついている時間 → 短い
※【地声・裏声、ともに「一秒間に声帯が閉じる回数」と「タイミング」は同じ】
という違いがわかります。
では、ミックス時は….?
- 「地声を出している時の声帯の閉じ時間」
- 「裏声を出している時の声帯の閉じ時間」
この2つの時間に「急激な切り替わり」が起きないよう、音が高くなるに連れ「声帯のくっつき合っている時間が徐々に短くなっている」状態。
※青色のバーが長く濃いほど「声帯がくっつき合っている時間」が長くなっていることを表しています。
この地声と裏声の「中間の閉じ時間」を少しずつ変化させながら発声していくことで、低い地声(チェストボイス)から高い裏声(ヘッドボイス)にかけての
「音色に落差がうまれないスムーズな声(声区)の行き来」
が可能となります。
しかし、「厚みを増やす」という単語を「喉を力んで詰まらせる&張り上げて力いっぱい歌う」という意味で混同してしまう方が多いので、今回のように「声帯の閉じ時間(声門閉鎖時間)の変化」として考えて頂いた方がより間違いないかと思います。
結論
NVSでは、声帯の閉じ具合を音階ごとに調整することによって生まれる
「裏声と地声の2つの声区を音色の差が生まれないようにスムーズに行き来して歌える状態」
をミックスボイスと定義しています。
- 特別な高音発声法 → NG
- 強い地声・裏声を音色の落差なく自由に行き来できる状態 → 正解
- 弱い地声・裏声を音色の落差なく自由に行き来できる状態 → 正解
※「ヘッドボイス=裏声」「チェストボイス=地声」として定義
つまり、ミックスボイスという言葉は
「使っていなかった声帯本来の機能を100%取り戻すことで、広い音域でも無理なくスムーズに出せるよー!」
という原理を表した言葉なのです。
うまく理解出来ましたでしょうか?(ムズカシカッター!!
長文でしたが最後までお付き合いありがとうございました。
疑問などあればコメント等でお待ちしておりますm(_ _)m
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