【裏声?地声?】ミックスボイスという高音発声の原理【ボイトレ図解】

恐らく、このブログに辿りついた皆さんは

  • 高い声の出し方を知りたい!
  • 響きのある伸びやかな声を出したい!!
  • もっと楽に歌いたい!!!

そんなことを検索している際、割とすぐ「ミックスボイス(またはミドルボイス)」または、ベルティングという単語に行きついたのではないでしょうか?

そして同時に、それぞれ言ってることが違う…どの情報が正しいのか分からない….となってはいませんか?

なので今日は、出来るだけ難しい部分を噛み砕きながら「ミックスボイス(高音発声)」について解説をしてみようと思います。

少しでもネット情報の海に溺れてる方の助けになればうれしいです。

まず「ミックスボイス」って何者?

低音~高音までをスムーズに行き来できる歌唱状態。

  • 力まなくても楽に低音や高音が出せる(音域改善)
  • 地声と裏声でガラッと音色が切り変わらない(声質改善)
  • 地声を張り上げるよりもパワフルな声になる(声量UP)
  • 喉へのダメージが圧倒的に減る。(スタミナUP)

など、年々増加する「音域の広い曲」を歌っていく上では とてもメリットの多い発声です。

しかし同時に、よくミックスボイスを「魔法のような高い声の出し方がある!」と勘違いする方も多いのですが、それはすこし違います。

あくまでミックス(ボイス)とは「歌唱状態」を指しています。

【図解】裏声・地声・ミックスボイス時の声帯の動き

声帯の動きを動画にしてみました。

裏声、地声、そして皆さんの思うミックスボイスなどの音色の差は、声帯の閉鎖状態(閉じてる時間・寄り具合)によって決まります。(※1

そこで裏声・地声の声帯の動きがわかる動画を用意しました。

動画の説明

  • 一秒間に440回閉じる声帯の動きをスロー再生したもの。
  • 上下、どちらの声帯も同じ高さを出している。
  • 上は「裏声で出したときのラ(hiA)」、下は「地声で出したときのラ(hiA)」の音を表している。
豆知識:「Hi A(ハイエー)」とは?(クリックで表示)

音階は、

「ド」=C
「レ」=D
「ミ」=E
「ファ」=F
「ソ」=G
「ラ」=A
「シ」=B
「ド」=C

という風に、A~Gの英語を使って表記されます。

kenban22

表記の例

「mid2A」=hiAより1オクターブ低い「ラの音(220hz)」
「  hiA  」=今回の基準となる高さの「ラの音(440hz)」
「 hihiA」=hiAより1オクターブ高い「ラの音(880hz)」

HiAを聞ける曲:「粉雪/レミオロメン」のサビ(2:00~)の「こ↑なぁぁぁ(HiA)」の部分。

2つの声帯の動きを見てみると、

  • 地声時のくっついている時間 → 長い
  • 裏声時のくっついている時間 → 短い
  • どちらも一秒間に声帯が閉じる回数・タイミングは同じ

という違いがわかります。

つまり裏声も地声も、声帯の閉じ&擦り具合によって音色が変わるだけで、根本的な動きはそこまで変わらないのです。

それではミックスボイスの時はどうでしょう?

ミックスボイスと呼ばれてる声帯の動き

  • 「普段、地声として使っている声帯の寄せ具合」
  • 「普段、裏声として使っている声帯の離し具合」

この2つの閉じ具合に「急激な切り替わり」が起きないよう、音が高くなるに連れ「声帯同士の閉じ具合を、少しずつ変えていきながら発声している」状態がミックスボイスと言われています。

ミックスボイス_声門閉鎖時間

※青色のバーが長く濃くなるほど「声帯同士が強い力で合わさっている」&「閉じ一回につき、生成される音の粒の量が多い」ことを表しています。

普段わたしたちが「地声」「裏声」と呼んでいる声帯の閉じ具合以外のバランスを、音階ごとに少しずつ微調整させながら発声することで、低い地声(チェストボイス)から高い裏声(ヘッドボイス)にかけて音色に落差のない、スムーズな声区の移動が可能となります。

「ミックスボイス」のための必要条件

音階ごとに2つの筋肉をバランスよく動かせること。

2つの筋肉とは
  •  「声の音色を調整する筋肉(パーツ)」
  •  「声帯に当たる空気量を調整する筋肉(パーツ)」

この2種類の筋肉たちを音域ごとにバランスよく動かしていくこと「不安定な弱々しい裏声」でしか出せなかった音域も地声のようなパワフルな高音で楽に歌うこと出来ます。

いろいろ検索してみると、

  • 「裏声に力いっぱい閉鎖(声帯の閉じ・エッジボイス)をかけたものがミックスボイスだ!」
  • 「裏声の声帯の形のまま地声を出すのがミックスボイスだ!」
  • 「裏声を鼻にかけて太くしたものがミックスボイスだ!」

などの方法を目にすることがあります、それだけを目指してもなかなか上手くいく人はいません。

キンキンしただけの細い裏声 or 低音と音色がガクンッと切り替わってしまう柔軟性の無い(裏声感の強い)ヘッドボイス」になってしまう場合がほとんどです。

ミックスが不完全な人の声には

声を高くしていく途中、声質が突然ガクンッと変わってしまう(ひっくり返る・スカスカした息漏れ声になる)

という大きな特徴があるので、自分の声を録音してチェックしてみて下さいませm(__)m

みんなが「ミックスボイス」という単語に惑わされる

感覚的すぎる・解剖学的に矛盾だらけ

現在、喉に対する研究は良い意味でも悪い意味でも「発展途上で、まだ誰も正解を知らない」といった状態です。

その為、日々情報は更新され、ネット上には新旧たくさんの情報が入り乱れています。

あくまで僕の個人的な感想ですが、ネットやYoutubeで見かけるような情報たちの多くは医学(解剖)的にも音響学的にも矛盾だらけだったりするものが多く、そこから上手くいく人ってどれだけいるんだろうか?という疑問は浮かびます。

ボイトレ問題の流行

ここ数年、似たような発声癖を持つ人たちにレッスンで出会うことが増えました。

お話を伺うと、皆さん検索上位に上がってきたブログや動画を使って独学ボイトレを頑張っていたそうです。

「せっかく毎日動画見ながらボイトレ頑張ってるのに、前より声が出しづらくなってきた…」

どんな地獄だ。

風邪薬ですべての病気が治らないように、特定のトレーニングだけで全員の声を良くするのは不可能です。

発声の癖ができあがった過程は一人ひとり違うのだから、その人の声にあったトレーニングでないと治せないと思っています。

ネットは修羅の道

今のネット情報の海をさまよいながら一人で独学ボイトレで上達するのはかなり困難な道のりだとも感じます。

もちろん、「その困難も自分は楽しめちゃうぞ!」という人は全力で応援してます。

もし「自分にはしんどそう…」と思う人は、ちゃんと診断してくれる先生の元へ行くことをオススメします。

まとめ

すこし話が脱線してしまいましたが、最後にミックスボイスの定義についてまとめておきます。

NVSでは、音階ごとに声帯の閉じ具合を適切に調整して

低音から高音まで、音階ごとに少しずつ声帯の閉じ具合を調整しながら歌う「歌唱状態」ミックス(ボイス)と定義しています。

  • 特別な高音発声法 →  ミックスボイスではない 
  • 強い低音・高音を、音色の落差なく自由に行き来できる状態 →  ミックスボイス 
  • 弱い低音・高音を、音色の落差なく自由に行き来できる状態 →  ミックスボイス 

つまり、ミックスボイスという言葉は

「使っていなかった声帯本来の機能を100%取り戻すことで、広い音域でも無理なくスムーズに出せるよー!」

という原理を表した言葉なのです。うまく理解出来ましたでしょうか?(ムズカシカッター!!

長文でしたが最後までお付き合いありがとうございました。

疑問などあればコメント等でお待ちしておりますm(_ _)m

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