「ボイストレーナーの胡散臭さ」が生まれる理由|良い先生の見分け方

正直くん

ちょっと言いづらいんだけど…

ボイストレーナーやってる人って「胡散臭い人」多くない?

この仕事をやっていると、いろいろな所でこの言葉に遭遇します。

僕自身もこれについて思うことは色々あったのですが、ほかのトレーナーさんらの目を気にしてあまり口に出せなかった話題でした。

今回はすこし勇気を出して、ぼくなりのアプローチでこのモヤッとした問題に触れていければと思っています。

すこしショッキングな発言もあるかもしれませんが、もし宜しければ、最後までお付き合いいただけると嬉しいです。

ボイトレの「胡散臭さ」を生む3つの原因

1. 実は「ボイトレの正解」は誰も知らないから

これはボイストレーナーに限らずの話なのですが、

正しい仕組みが判明してない事柄について、さも真実だと言わんばかりの口ぶりで「仮説」を語ってしまう人が多い

というのが大きな原因だと感じています。(ぼくの後頭部に刺さったブーメランを誰か引き抜いて下さい)

2. 時代と科学が追いついてないから

現代科学の天才達が束になっても、喉や脳、体について解明できてるのはほんの数%のみ。

だからこそ、そこで生まれた理論も、僕たちがレッスンで使っているトレーニング方法も、どんなに“それっぽい内容”であっても、すべて「仮説」の域を出ない話でしかないのです。(しかもその仮説達すら、日々の新しい発見たちに覆され続けてる…)

しかし、「なるほど。それなら仕方ないですね!」とならないのが世知辛いところ。

3. 「ボイトレの先生」の虚像に振り回されてるから

世間的に「先生」という職業は なんでも知ってる・できる完璧な人 というイメージを持たれやすいです。

そして同時に、レッスンを受けにくる人はきっとここには唯一の正解があるはずだ!」と藁にもすがる思いでボイトレ教室の戸を叩きます。

この2つのプレッシャーが積み重なることで、

  • 本当は知らない(けど知ってるフリ)
  • 本当は出来ない(けど出来るフリ)
  • 食ってくためには後には引けない

そんな泥沼の矛盾にはまる先生たちが、ボイトレ界隈でも大量に生み出されているように感じます。

そんな劣等感や葛藤を抱えながら「万能の先生」を演じようとしていれば、にじみ出るハリボテ感から胡散臭くなっていくのも仕方ないのかもしれません。

実例「誰にも相談できなくて辛かった」

ボロボロになってしまうトレーナーさんもいる

いま現在、ぼくのレッスンに来て下さってる方の約1/3がボイストレーナーさんだったりします。

そして、皆さんが抱えている悩みはだいたい同じで、

  • 自分の歌(声)が上手くいかない
  • 今の教え方じゃ生徒さんに効果が出ない

どのトレーナーさんも、当たり前のように自分の歌と声で悩んでいて、当たり前のように自分のボイストレーニング方法に疑問を持ってるんですよね。

しかし、いざレッスン中は「すごい先生」の仮面を被り続けてしまい、良心の呵責から心がボロボロになってしまうトレーナーさんが多いです。

勇気を出して話してくださった先生方とお話させていただくと、

ホンネ先生

「まわりの人に相談できず孤独で辛かった」
「稼げなくなるのが怖くて、正直にはなれなかった」
「プライドが邪魔して、分からない とは言えなかった」

こんな言葉たちばかりが出てきます。
怖かったよね~。それでも今頑張り始めたこと、本当に偉いし尊敬する。

そんな先生らとレッスンしてる僕も「ポンコツ」

しかし、これがまぁ大変申し訳ないことに、もまったく同じように悩みを抱えてるんですよね。はっはっは

出来ないことは今でもいーーっぱいある。
(フレディ・マーキュリーみたいなノイズをまとった声出したい、小田和正さんみたいな清らかな声出してみたい、超音波出したい、寝起き数分で喉を起こせるようになりたい…、とか)

それでも今までの色んな挑戦&失敗のおかげで、昔に比べればボイトレで抱えてた悩みはかなり減ってきました

しかし同時に、声の悩みが0になる事は一生ないんだろうな~とも感じてます。(人の好奇心は尽きない)

先生らとのレッスン中、僕は、自作ボイトレの実験結果だったり、過去の経験だったりをそのままお伝えするようにしてます。

内容の半分くらいは失敗談だし、思い返すと消えてしまいたくなる様な黒歴史もいっぱいありますw

でも、そんな話を楽しんで聞いて下さる方がいる内はとりあえず良しとしてます。

なので正直、先生(ボイストレーナー)なんて職業はぜーんぜん万能じゃないし凄くない(極論)

どんなすごい人だって、記憶を辿ればみんな大事故だらけで転びまくり人生だったと思うし、

先生」なんてものは、たまたまその分野で「きて悩み始めただけの人」でしかない!…というのが持論だからです。

まとめ:胡散臭さの原因は「虚像」にあり

  • 教える方・教わる方、ともに「先生」という虚像に振り回されてる
  • 絶対なんてものは無いのに絶対を誇張してしまう
  • 本人と理想との「ズレ」が大きい人ほど、胡散臭さも大きくなる。

番外編「失敗しないボイストレーナーの選び方」

僕なりの方法だけど、参考程度に使ってもらえればありがたいです。

「先生も人間」

分からない事や劣等感があっても普通だと思う。

あと先生だって、新しい知識・技術・立場を手に入れると、まるで 自分が強くなったような勘違いをしちゃう ことだってある。(そしてだいたい痛い目をみる)

でもそんな中、嘘つきな自分から目を背けず、目の前の生徒さんから目を逸らさず、「なんとか正直に向き合ってやろう!」って戦い続けてる先生たちのおかげで新しい技術が生まれてきたんだなぁ、と感じてます。

だからこそ、凄そうな雰囲気で取り繕ってる先生よりも、分かることも分からないことも、どちらもキチンと話してくれるような「日々、地味&無様にもがいてる先生」を探すと、良い結果に繋がりやすいんじゃないかな?と思ってます。

恐らくその先生は「教えてくれる先生」じゃなく「一緒に考えてくれる先生」な可能性が高いので、ぼくは後者の先生のほうが圧倒的に『あたり』だと思います!

動画やSNS、文章だけじゃわからないことも沢山あります。ぜひ色んな所に突撃してみて下さいませ!!

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